幻聴なのか、違うのか
時間が余ると「てきぱき動け」「努力しろ」
失敗すると「失敗を認めろ」「治せ、よくなれ」「落ち込むな」
大声に驚いて聞くと「見習え」「お前もこれくらい明るくなれ」
辛くなると「逃げるな」「我慢しろ」「逃げたら一生不幸だぞ」
私の頭の中の声は松岡修造のようなことを言う。
ただ励ますため、支えるためではなく、
焦らせる、落ち込ませる、怖がらせる、苦しませる目的だ。
何を?どうやって?という内容は一切言わず、
ただそれこそ正義なんだと言わんばかりに単語を投げつける。
言葉のきっかけは母親だ。
通知表には毎度自信をつけて欲しいと書いていた。
神経質で完璧主義な母親と皮肉屋な父親と過ごした私は、
無意識に自信が持てなくなっていた。
過干渉な目を前にしての行動は常に恐怖だった。
しかし母の声で再生されているわけではない。
これは誰なのか。